京丹後米軍基地問題とは

エックスバンドレーダーの写真
エックスバンドレーダー(防衛省ウェブサイト)

エックスバンドレーダー(別名:TPY-2レーダー)とは、発射されたミサイルを監視する装置です。

 

日本では2006年、米軍により、青森県つがる市の航空自衛隊車力(しゃりき)分屯基地に初めて配備されています。

 

アジアからアメリカ本土へのミサイル攻撃に備え。日米両政府は、2012年8月にこのレーダー基地を日本に追加設置しようと検討を始め、2013年2月に京都府京丹後市の航空自衛隊経ケ岬(きょうがみさき)分屯基地に配備することを内定しました。

 

それまで住民への説明はありませんでした。

問題点

丹後半島周辺の地図

(1)近畿圏に危険が増します。


エックスバンドレーダーは、日本を守るのではなく、日本を前線としてあくまでアメリカ本土を守るための軍備です。

 

もしエックスバンドレーダーが建てられたら、京丹後は近畿唯一の米軍拠点となり、日本海周辺に軍事的緊張が走ったとき、近畿圏に危険が増すことになります。

 

イラク戦争ではレーダー基地が真っ先に攻撃されています。近くの若狭湾には原発が林立しています。


(2)強力な電磁波が発生します。


エックスバンドレーダーからは、強力な電磁波が数千キロ先まで照射されます。京丹後の計画地は、住宅地まで数百メートルしか離れていません。

 

行政は「立ち入り禁止区域を設ければ人体に影響はない」との見解を示していますが、生態系への影響は未知数です。京丹後が誇る豊かな自然、そして漁業への影響も心配です。


(3)「レーダーが置かれる」だけではありません。

 

レーダーがポンと置かれるだけではなく、米兵など約160名が配属される計画です。

 

沖縄をはじめとして、日本全国の米軍基地周辺で事故や犯罪が起こっています。2006年に米軍エックスバンドレーダーが配備された青森県つがる市では、米兵による死傷事件、女性宅への不法侵入、交通事故が合計9件も発生しているのです。

 

山田啓二 京都府知事は「基地周辺に交番を設ける」と言っていますが、日米地位協定の下では、米兵が日本で事件を起こしても、日本の警察が逮捕することはできません。


(4)一度受け入れたら廃止は困難です。

 

沖縄をはじめとして、日本には132ヶ所の米軍基地が存在しますが、一度米軍基地が設置されれば廃止するのは困難です。

 

米軍エックスバンドレーダーを受け入れた青森県つがる市には、10年間で約32億円の「再編交付金」が国から与えられていますが、10年で交付は終了します。

 

山田啓二 京都府知事も、国に道路整備などを求めていくようですが、交付金が終わっても米軍施設とリスクは地域に残るのです。

(5)住民への説明が足りません。

 

多くの住民が反対の声をあげ、話し合いを求めているにもかかわらず、中山泰 京丹後市長は、受け入れを前提として対応しています。住民の不安は払拭されていません。

不安やな・・・

京丹後米軍基地問題の流れ

大変短い期間に、防衛省、京都府、京丹後市が話をすすめています。住民が納得する説明は行われていません。

時期 できごと

★2012年夏、アメリカの要請により日本政府がXバンドレーダー追加配備を検討開始★

2012年8月

防衛省の岩崎茂統合幕僚長とデンプシー米統合参謀本部議長が、現地時間8/23に米ワシントンの国防総省で会談し、Xバンドレーダーを含むミサイル防衛網の拡充について意見交換。翌8/24に森本敏防衛相が記者会見で、米軍Xバンドレーダーの日本国内追加配備に向け検討に入ったと発言。

★2013年2月、日米両政府が京丹後を配備先に決め、京都府知事と京丹後市長に依頼★

2013年2月22日

日米首脳会談で、安倍首相とオバマ大統領が、Xバンドレーダーの追加配備に合意。

2013年2月24日

日米首脳会談の合意を受け、日米両政府が、航空自衛隊経ケ岬分屯基地(京都府京丹後市)を配備先に内定。

2013年2月26日

防衛省の金澤博範事務次官が京丹後市役所を訪れ、中山泰市長に協力要請。同日、防衛省地方協力局地方調整課長が京都府庁を訪れ配備方針を伝える。(山田啓二知事は府議会開会中のため職員が応対)

2013年2月28日

隣接する伊根町が防衛省に説明を要請。

2013年3月6日

防衛省近畿中部防衛局の平松友和企画部長が宮津市役所を訪れ、計画概要を井上正嗣 宮津市長に説明(非公開)。

2013年3月8日

防衛省職員が太田貴美 与謝野町町長に説明。

★2013年3月、防衛省が京丹後市で住民説明会★

2013年3月11日

防衛省による初めての住民説明会(京丹後市 宇川小学校にて)。近畿中部防衛局の及川博之局長、平松友和企画部長等。市民約240名が参加。

2013年3月12日

防衛省による住民説明会(京丹後市 丹後地域公民館にて)。市民約150名が参加。

★2013年3月~ 防衛省と府、市のあいだで質問書・回答書のやりとり★

2013年3月22日

防衛省から山田啓二 京都府知事への説明(京都府庁)。出席者は防衛大臣政務官 佐藤正久、防衛省地方協力局地方調整課長 古屋剛、防衛省地方防衛局近畿中部防衛局長 及川博之、山田京都府知事、山内副知事、山田危機管理監、中野総務部長。

2013年4月4日

伊根町が住民説明会(伊根町 蒲入集会所)。対象は蒲入区民、長延区民。

2013年4月5日

伊根町が住民説明会(伊根町コミュニティセンターほっと館)。対象は伊根町民。

2013年4月9日

大村隆 京丹後市副市長が、近畿中部防衛局長に「米軍TPY-2レーダー(Xバンド・レーダー)の配備について(照会)」を提出。

2013年4月11~12日

京丹後市議会・基地対策調査特別委員会が青森県つがる市視察。

2013年4月17日

山田啓二 京都府知事、近藤永太郎 京都府議会議長が青森県つがる市等を視察。

2013年4月24日

防衛省近畿中部防衛局の及川博之局長が京都府庁を訪れ、山内修一副知事に「京都府からの質問に対する回答」を提出。

2013年4月25日

防衛省が京丹後市に「京丹後市からの質問に対する回答」を提出。


2013年4月27日

京丹後市が防衛省回答書に関する住民説明会(京丹後市 宇川小学校)。対象は宇川地域。

2013年4月28日

山田啓二 京都府知事が、現地調査と住民ヒアリング(連合区長、区長、市議、市長を対象)。

2013年5月9日

京丹後市が防衛省回答書に関する住民説明会(京丹後市 丹後地域公民館大ホール(間人))。対象は京丹後市民。

2013年5月10日

京丹後市が防衛省回答書に関する住民説明会(京丹後市 峰山小学校)。対象は京丹後市民。

2013年5月10日

京都府が「TPY-2レーダー(Xバンド・レーダー)に係る再質問・追加質問」を防衛省近畿中部防衛局に提出。

2013年5月28日

京都府が、Xバンドレーダーの電磁波影響等に関する専門家を京都府参与として委嘱。佐藤亨 京都大学大学院情報学研究科長、中川正祥 元鉄道総合技術研究所 研究主幹、池畑政輝 (公財)鉄道総合技術研究所 主任研究員、近藤基治 古野電気(株)舶用機器事業部 開発部レーダー機器開発課長の4名。

2013年5月28日

近畿中部防衛局が「京丹後市からの再質問に対する回答」を京丹後市に提出。

2013年5月30日

京丹後市が住民説明会(京丹後市 宇川小学校) 。

2013年5月31日

京丹後市が住民説明会(京丹後市 久美浜市民局) 。

★2013年6月 京都府がXバンドレーダーの電磁波影響について専門家会議★

2013年6月4日

京都府が、平安ホテル(京都市上京区)で、4名の専門家(京都府参与)により、電磁波影響に関する会議を開催。

2013年6月4日

近畿中部防衛局が「京都府からの再質問に対する回答」を京都府に提出。(6/7に回答追加)

2013年6月13日

京都府が「TPY-2レーダー(Xバンド・レーダー)に係る質問(第3回)」を防衛省近畿中部防衛局に提出。 

2013年6月15日

京丹後市の平海水浴場駐車場で市民による反対集会が行われる。約500名が参加。

★2013年6月 京丹後市長が受け入れに言及★

2013年6月19日

中山泰 京丹後市長が、京丹後市議会 6月定例会 一般質問で、Xバンドレーダー配備について「条件を付けながら、受け入れていく方向を見据えていきたい」と述べる。

2013年6月28日

近畿中部防衛局が「京都府からの再々質問に対する回答」を京都府に提出。 

2013年7月29日

京都府が、Xバンドレーダーの電磁波影響について「特に問題がない」とする専門家の意見を公表。

★2013年8月 京都府知事と京丹後市長が受け入れの方向で一致★

2013年8月1日

山田啓二 京都府知事と中山泰 京丹後市長が会談し、京丹後へのXバンドレーダー配備を受け入れる方向で一致。

2013年8月6日

近畿中部防衛局の及川博之局長から山田啓二 京都府知事宛に、Xバンドレーダー配備への協力を求める要請書が届く。

2013年8月6日

山田啓二 京都府知事が定例記者会見で、基地周辺の交番設置や府道改修などで国に費用負担を求めていく考えを表明。

★2013年8月 受け入れ表明後初の住民説明会で反対多数★

2013年8月7日

中山泰 京丹後市長が受け入れ表明後初めて、京丹後市が住民説明会(京丹後市 宇川小学校)。参加者約200名。長時間に及ぶも住民側は納得せず。

山田啓二 京都府知事プロフィール

山田啓二 京都府知事
京都府ウェブサイトより
  • 昭和29年 兵庫県洲本市に生まれる。
  • 昭和52年3月 東京大学法学部卒業
  • 昭和52年4月 自治省(現総務省)入省
  • 昭和58年7月 和歌山県総務部地方課長
  • 平成元年4月 高知県総務部財政課長
  • 平成3年8月 自治省行政局行政課課長補佐
  • 平成4年1月 自治省行政局行政課理事官
  • 平成4年7月 内閣法制局参事官
  • 平成9年7月 国土庁土地局土地情報課長
  • 平成11年8月 京都府総務部長
  • 平成13年6月 京都府副知事
  • 平成14年4月 京都府知事 現在3期目(平成26年4月 京都府知事選予定)

中山泰 京丹後市長プロフィール

中山泰京丹後市長
2013年8月7日 京丹後市宇川小学校 住民説明会にて
  • 昭和35年 京丹後市峰山町生まれ
  • 昭和50年3月 峰山中学校卒業
  • 昭和53年3月 天理高校卒業
  • 昭和60年3月 京都大学経済学部卒業
  • 昭和60年4月 総理府・総務庁入庁
  • 平成元年4月 科学技術庁科学技術振興局研究交流課専門職
  • 平成3年4月 総務庁行政管理局行政情報システム企画課係長
  • 平成4年7月 総務庁行政管理局行政手続法制定準備室室長補佐
  • 平成6年7月 総務庁行政管理局副管理官
  • 平成8年8月 沖縄開発庁沖縄総合事務局総務部人事課長
  • 平成10年7月 沖縄開発庁長官秘書官(井上吉夫、野中広務、青木幹雄 各長官)
  • 平成13年1月 経済産業省大臣官房企画官 兼 製造産業局人間生活システム 企画チーム長・デザイン政策チーム長
  • 平成14年8月 内閣府総合規制改革会議事務室次長
  • 平成16年5月 京丹後市長 現在3期目

京丹後市の紹介

京丹後市の風景

京丹後市は、京都府の最北部に位置する人口約6万人の市です。

 

2004年に京都府中郡峰山町、大宮町、竹野郡網野町、丹後町、弥栄町、熊野郡久美浜町の6町が合併して誕生しました。

 

日本海沿いに良好な湾や入江が発達し、古代から中国大陸・朝鮮半島と活発な交流が行われてきました。京丹後市内から、約2000年前の中国貨幣や日本最古の紀年銘鏡、日本海側最大の前方後円墳などの遺物・遺跡が多く発見されています。江戸時代中期に「丹後ちりめん」が名産品となり、丹後地方は日本最大の絹織物の産地となっています。

 

1927年(昭和2年)3月には、丹後半島北部を震源としてマグニチュード7.3の北丹後地震が起こり、京丹後市峰山町で震度6、京都市や広島県福山市でも震度5を記録し、大きな被害が発生しました。このときに地表に現れた「郷村断層」は長さ約18kmにわたり、1929年に国指定天然記念物に指定されています。

 

1975年には、京丹後市久美浜町で、関西電力が原子力発電所建設を計画していることが発覚しました。当初は120万kW級2基、最終的には6基、計720万kWまで増設可能とする計画であり、30年間にわたり賛否が論議され、2006年2月に京丹後市が計画撤回を要請。同年3月、関西電力は丹後半島への原発建設を断念しました。

 

日本最大級の鳴き砂の浜として有名な琴引浜(ことびきはま)、日本の夕日100選に選ばれた夕日ヶ浦海岸、近畿最大級のブナ林が拡がる内山など自然の宝庫であり、また、松葉ガニや丹後コシヒカリなど味覚の宝庫でもあります。環境と食に恵まれた京丹後市には、100歳以上の長寿者が、全国平均の約2.5倍となる60人在住しています(2013年2月時点)。

 

つながろう、京丹後と。

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